ネックシム入れ(厚み増し、角度矯正等)

 

よく、

「ネックが細い方が握りやすい」

とおっしゃる方に出会います。

手の大きさは十人十色ですので一概には言えませんが、実はネックの太さはある程度有る方が左手の負担を少なくする事が出来ると私は考えます。

ネックが細い(薄い)程、ぐっと握りこむ必要がある為です。
グッと握り込まなければ押さえられないという事は、それだけ力まなければならないという事です。

 

今回お客様より、左手の腱鞘炎が酷く、どうにも辛いから弦高を下げて欲しいという相談を頂きました。

駒の高さは特別高いわけではなかったのですが、どうにも辛いと。

そうなると次に考える原因はネック側になります。

その方の楽器はネックが極端に薄く、また指板のRも深い(ネックと共に指板が反っている)為、
弦と指板の距離が遠く、ググっと力を入れなければ弦を押さえられない事が判りました。

ネック(指板含む)の厚みを計測した所、一般的な厚みの2/3弱しか無く、かなりの細さです。
(でも横幅は標準より広い)

 

そこで、指板を交換する事になったのですが、新しい指板を最大限厚みを残して貼ってもまだ十分なネックの厚みを持たせる事が出来ず、シム入れを同時に行う事にしました。

 

 

まずは指板を外して面出し。

まっすぐに整えた新しい指板を当ててシムを圧着。

 

シム材が接着できた所で再度面出ししながら、ネックの角度を決定していきます。

元々のネックの角度もかなり浅かったので、適度にテンションが掛かるように合わせていきます。

 

そして次は指板の接着。

  

しっかり面が出ると、接着ラインもとても綺麗です。

 

最後に指板の表面を整え、仕上げていきます。

指板の厚み、高さが変わりますので、もちろん駒とナットも新調です。

(駒によってはアジャスターを組み込む事も可能です)

なんとかネックの厚みも正常になりました。

 

 

セットアップし、オーナーの方にチェックしてもらうと、

「今まで何だったんだ!!!」

と絶叫してました笑。

 

テンションも稼げて、楽器の音量もアップ。
ネックが屈強になり、音程もよりクリアに。

 

左手の辛さは、駒の高さでなく、ネックもしくは指板のR(反り)が関係している事がしばしば。

もし辛いと感じていたら、悩みすぎる前に一度ご相談頂ければと思います。